関東に引っ越してきて1年半、スーパーに行くたびにずっと気になっていたことがある。なぜか和菓子コーナーに、かまぼこが置かれていることだ。
いや、正確にはかまぼこではないのだろうが、ビジュアルがどっからどう見てもかまぼこなのだ。
なんだこれ!?と思い値札を確認すると、「すあま」という商品名が書かれているだけで、それ以上の説明はない。
いやいや、関西で生まれてこの方「すあま」という単語なんぞ聞いたことがない。それとも私が無知なだけで、みんなにとっては説明するまでもない和菓子の王道的な存在なのだろうか。
スーパーの和菓子コーナーを横切るたびに、私の中でこの未知の食べ物についてますます謎が深まっていくばかり。気になり過ぎてこのままでは生活に支障をきたす可能性もなくはない。
というわけで今回は「すあま」を実際に購入し、ここに食レポ的なものを記しておこうと思う。
買ってきた

早速すあまを買ってきた。こちらがスーパーに置かれていたままの姿だ。

袋から出してみた。うーんかまぼこだよなぁ。

横から見た図。
色といい形といいサイズ感といい、どこからどう見てもかまぼこ。

さらにかまぼこ感を出そうと、薄切りを試みた。
が、思ったよりもすあまの粘着力がすごくて切ろうとすると「ブンニュッッ」と形が潰れてしまう。おまけに生地が包丁にまとわりつく。

包丁を使って切った結果がこの有様だ。まるで誰かが歯で食いちぎったかのよう。きたな。
お察しのようにすあまの粘度はものすごい。たぶん羊羹の10倍はある。薄切りにして「なんちゃってかまぼこドッキリ」を仕掛けようにも、そもそもキレイに切り分けることがムリゲーなので要注意。
いざ実食

さぁ、いよいよ実食!果たしてすあまとはどんな味なのだろうか?名前的に「酢」っぱくて「甘」いから「すあま」なのか…?と予想することはできるが、いずれにしろ食べてみないことには埒が明かない。
いただきま〜〜す。パクッ
……………………
あ………れ…………?
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餅だった。
食感が餅そのもの。思った以上に柔らかい。例えるなら、お正月に出るお雑煮の中で溶けて柔らかくなった“あの”食感だ…。これは食べ応えありそう。
そして噛み続けるうちにほのかな甘みがやってくる。中身は何も入っていないので、本当にシンプルな砂糖だけの甘み。や、やさし〜〜〜〜〜!
ちなみにこの時点で肝心の“酸味”は感じられないので、どうやら私の「“酸”っぱくて“甘”いから“すあま”」という予想はハズれたらしい。ネーミング紛らわしすぎるだろ。

それもそのはず、原材料名を見ると味付けはほぼ砂糖と塩のみ。逆にここまでシンプルな材料だけで売り物が作れるってすごい。
あと食べ始めてからぼんやりと「これ、どっかで食べたことあるな〜」と感じていたのだが、その理由がわかった。三色団子だ。ほんのり甘くて、めちゃくちゃ美味しいってわけでもないのについつい食べたくなるあの感じよ。もしかしてこの味がする食べ物は全部カラフルに着色しなきゃいけないルールでもあるんか?
……まぁでも、フツーに美味しかった。意外とボリュームがあってお腹に溜まるので、携帯用におすすめかもしれない。かなり特殊だけど。あとは「餡子が食べられないけど和菓子が食べたい」、「甘すぎるものが苦手」って人にもおすすめ。
見つけたらぜひ一度食べて見てください。